※この記事の解説内容は立食形式を前提としています。
会社が「~会」のような団体に所属していると、年に一度は必ず開催される「定時総会」や「懇親会」に参加しなければいけません。
一般的には役職のある方が会社の顔として参加します。
あなたはまだ若手社員かもしれません。でも油断していると…
・上司にいきなり代理を頼まれる。
・同行者にドタキャンされる。
一人で参加することに…
さて、あなたは懇親会なるものに参加するのは初めて。研修や講演などと違い、「その場にいるだけ」というわけにはいきません。
とはいえマニュアルのようなものもなく、上司に伺っても「適当にしゃべってきたらいいから」と曖昧に指示されるだけでしょう。
でも安心してくださいね。
ポイントさえ押さえておけば何も不安になることはありません。
この記事に書いてあることをそのまま実行すれば、きっとあなたにとって意味のある時間を過ごすことができます。
目次
そもそも私は何をしに行くの?
懇親会とは、つまるところ「宴(うたげ)」です。誤解を招くかもしれませんが、仕事の話は基本的にする必要がありません。
会社の業種や仕事内容について、お互いの自己紹介は必要ですが、あまり仕事の深い話も懇親会の場ではむしろ迷惑です。まずは、「その場を楽しむことが一番のマナー」。このことを一番に覚えておいてください。
意識を高く持つことは大事ですが、懇親会の場でビジネスにつなげようとしても骨です。 それにもしあなたが代理で参加するのならば、そこまでする必要もないのです。
楽しい話をしよう
1人15分程度で十分です。15分話しても1時間話しても、懇親が深まる度合いはそれほど変わりません。
懇親会では、できるだけ多くの人と話しましょう。
特定の取引先に懇意にしてもらうことが目的なら、懇親会の場を利用するのではなく「後日別の機会を設けさせてください」と、約束だけを取り付けるに留めます。相手の方も、あなた以外に話したい人がいるかもしれません。
グループでの会話は、離脱しづらい空気にもなりますが、それでも20分程度にしてください。グループの場合は、時間が経つにつれ役割が分かれてきます。場合によっては、相づちしてるだけの人という印象を与えますので、そうなる前に解散します。
たくさんの人と話をしよう
仕事の話はしなくていい、会話は15分でいい。
「それじゃ何しに行くの?」となりそうですが、先ほどもお伝えしたとおり「その場を楽しむ」ことが懇親会の目的です。
会場の片隅で料理をせっせと食べているだけの人を、実業家のムーギー・キム氏は著書の中で “壁際ローストビーフ・オジサン❞ と表現しています。あなたが料理だけで心から楽しい時間を過ごせるのなら、これ以上時間を掛けて記事を読んでいただく必要はありません。
ここで一つ、主催者側の気持ちを考えてみてください。
あなたならどうでしょうか?参加してくれた人たちに楽しんでほしいと思いませんか?
主催者の気持ちを考えて
つまらないかどうかは、そこにどんな目的があるかで変わります。
どうやって自分が楽しめるかを考えておくことが大事なのです。
そこで今回おススメしたいのはたくさん名刺を集めることを目的にすることです。
目的が「名刺をあつめること」ですので、話した相手の反応や、会話の内容について気にしません。
名刺さえもらえれば、あなたの目的は達成できたと思うだけです。
SNS上で友達が増えた時を思い出してください。ほとんど知らないような相手でも、悪い気分はしないのでは?
それと同じこと。
懇親会が終わったら名刺の数を見てください。今後のあなたに自信を与えてくれることにも繋がります。
翌日は、たくさんの名刺をもって上司へ報告に行きます。
上司としては、あなたが会社のアピールをたくさんしてくれたことに感銘を受けるでしょう。(あなたが話した内容までは分かりませんので)
楽しい目的を考えよう
“コミュニケーションは「向いている、向いていない」ではなく、「やるか、やらないか」の問題です。”
人材育成の研修等を行っている殿村政明氏の著書から引用させていただきました。
“「人と距離を取るのがマナー」と勘違いしていませんか?”
同じく殿村政明氏の著書からの引用です。
あなたはコミュニケーション能力に自信がなく、せっかく話を聞いてくれた人に、迷惑を掛けているとさえ思っているかもしれません。
でもそれは言い訳です。あなた自身が人から話しかけてもらえたらどうでしょうか?
戸惑いもあるかもしれませんが、心の中では悪い気はしないはずです。
他人もあなたと同じですよ。
話しかけてもらえたら誰でも嬉しく感じるもの。
このあと、人に喜んでもらえるような会話術をご紹介していきますが、知識がついただけではコミュニケーションスキルとは言えないことを理解しておいてください。
とにかくやってみよう
会場に到着するまでに準備しておくこと
懇親会に限らず、何かに取り組む時に大事なことは自分なりの考えとそれに対する姿勢です。
『上司に言われたから』
『他に行く人がいないから』
何の考えもないままに懇親会に出席したところで、時計を見ながらビールを手酌するだけの時間が待っているだけでしょう。
懇親会の目的は楽しむこと、それが一番のマナーです。
マナーとは礼儀や作法のことを言います。
礼儀作法とは、決まった所作をすることで、その場にいる人が気分良く過ごせることを目的としています。
主催者も、参加者が気分良く帰ってくれることを望んでいます。
そんな主催者の希望に応えてあげたいと思えば、自然と姿勢に現れます。
このような利他的な考え方がない人には、このあとの会話術を覚えていただいても徒労に終わります。
ここまで読み飛ばした人は、01章を読むことをおススメします。
自分の考えを明確にしておこう
発声も運動のひとつ。ウォーミングアップをしておくことをおススメします。
まわりに聞こえない程度でひとりごとを言いながら会場へ向かいましょう。
声が低い人はトーンを上げましょう。
「ファ」か「ソ」の音を出すイメージですと、通る声になります。
話す練習はしておこう
会場に到着してからあなたがやるべきこと
他の参加者よりも早めに会場入りしてください。
印象に残りますし、テーブル選びに関係してきます。
先に言いますが、テーブルは会場全体が見渡せるところを選んでください。
会中は動きまわることになりますが、最初のテーブルがホームとなります。
理想は以下のような場所です。
各テーブルには、それぞれ特徴があります。ねらった場所が空いていなければ、以下を参考にしてください。
入口付近 | 人が多く集まる傾向ですが、主催者から「もっと真ん中行ってもらっていいですよ」と言われるため注意が必要です。 |
中央付近 | 人の流れが多く、多くの人と出会える可能性があります。 |
壇上付近 | 壇上前は上座、その両隣は来賓用であることが一般的。 |
乾杯に入るまでは、むりに会話に参加しなくても大丈夫です。
開始前から会話しているグループは、始めから顔見知りどおしです。そもそもあなたが入る隙はありません。
乾杯に入ったら、となりの人があなたのグラスにお酌してくれます。ここはあえて自分からお酌しないでください。
懇親会が始まったタイミングで、あなたにお酌してくれた人に「先ほどはお酌いただきありがとうございます!」と言います。
できればそのまま胸ポケットに手を入れるしぐさもしましょう。
そうすれば自然に名刺交換の流れになります。
これでいきなり孤独になることは回避できるでしょう。
1.会場へは早めに到着
2.テーブルは全体を見れるところ
3.グラスはあえて注いでもらう
4.注いでもらったお礼から名刺交換に入る
基本の会話パターン
あなたが初めてだからこそできるパターンです。
「こちらは初めてですか?」
「実は、私の方は初めてなんです!上司が急遽都合が悪くなりまして」
「こういう場では、何をどう話せばいいのか分からないんです」
よし!では教えてやろう!とはなりません。
大体は「いや~、私の方が教えてほしいくらいですよ」なんて言われて終わります。
話すきっかけにした話題というのは、すぐに消えていくものです。
そこで、あと一回だけ「分からない作戦」を使ってください。
料理、作法、会場、土地柄など、自分の分からないことを普通に聞くだけです。
「実は、私お酒もあまり強い方ではなくて。」
「~さんは、お酒はお好きなんですか?」
好きなら「どんな?」「どうして?」「他には?」
好きじゃないなら「好きな食べ物でしたら何ですか?」
これは一例です。
本当に話すことがなければ、そのまま使ってみてください。
「相手は私の話に興味があるのか」
「どんな話題なら盛り上がるだろうか」
そんなことばかりを考えても、あなたが不安になるだけです。
あなたの不安は、緊張となって相手にも伝わります。
緊張をせず、普段どおりのあなたで会話するには、あなたが話さないことです。
聞き手でいることに集中してください。
聞き方の基本は相づち。
相手の話が切れるタイミングを見て、あなたが合いの手を入れます。
カラオケと同じイメージですね。
以下に簡単な合いの手をいくつかご紹介します。
・「ちなみに」「ということは」「そうすると」
会話を広げたい時に使います。
うまくいけば、これだけで会話を3往復つなげることができます。
・「~といえば?」
連想で話をつなげていきます。
「~といえば、何が有名なんでしたっけ?」と質問につなげます。
・「なぜ?」「他には?」「それで?」
質問で話をつなげます。
質問は使いすぎると尋問しているようになってしまうので注意してください。
質問などをする時に、あえて「~さんは」と主語をつけた言い方にします。
これは自分がお相手の名前を覚えるためです。
もしかすると、来年もこの懇親会に来ることになるかもしれません。
またはどこかで再会するかもしれません。
そのときに、名前を覚えてもらえていたら嬉しいものです。
15分ほどの時間でしたら、あっという間に過ぎてしまいます。
物足りないくらいに思うかもしれませんが、会話の切れたタイミングをみて、
「ありがとうございました!では、またよろしくお願いします!」
スパッと切って、最初のテーブルに戻りましょう。
テーブルに戻ったら会場内を見渡して、次に話しかけれそうな人を探します。
あとは、瓶ビール持って声を掛けに行くだけ。この繰り返しです。
1.「こちらは初めて?」
2.話を聞く
3.名前を覚える
4.席に戻る
以上です、ぜひ参考にしてください。